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隆鼻術の素材の変化
2021.06.27
鼻の鼻背部を高くする手術は「隆鼻術」と呼ばれています。この隆鼻術には様々な素材が用いられますが、中でも最もよく多用される素材が「シリコンプロテーゼ」というものです。シリコンは生体適合性も非常によく、医療用の素材としてもよく用いられて歴史も長く、1960年代から使用されています(その前の主流は「象牙」でした)。
さてこのシリコンプロテーゼですが、素材自体はずっと第一線にいますが、形としては時代によって変化をしています。以前の主流はこの画像のように「L字型」でした。
このL字型のプロテーゼですが、鼻全体(鼻根⇒鼻背⇒鼻尖⇒鼻柱)を覆えるので鼻の形を一度で変えられるということで多用されていました。ただ、鼻(特に鼻尖)は表情に応じてある程度動くため、年数と共に鼻先の皮膚に対して負担がかかってきてしまいます。その結果として、皮膚を突き破って露出するケースもあったようです。
そのため、現在ではシリコンプロテーゼは鼻根・鼻背部のみを覆う「I字型」が基本になっており、鼻尖・鼻柱は自己組織(耳介軟骨など)を用いて高さを出すことが標準の考え方となってきました。
鼻背部についても自己組織(側頭筋膜や真皮移植)などで隆鼻する方法もありますが、吸収(年数と共に低くなる)の問題もあり、少数派にとどまっております。
当院では安全性の高い素材であるI字のシリコンプロテーゼを中心に用いており、鼻尖部については自己組織による高さ出しを提案させていただきます。
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