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傷痕修正③~ケロイド、肥厚性瘢痕について
2021.10.01
前回のブログでは、傷痕の分類とそれに対する大まかな治療法について書きました。
今回は、特に気になる「ケロイド・肥厚性瘢痕」について詳しく書いていきます。
ケロイド・肥厚性瘢痕は表面が盛り上がっており、赤くなっているため目立ってしまいます。こういった瘢痕は、発症するきっかけとしては他の瘢痕と同様で、擦り傷・切り傷やニキビなどの炎症から生じます。他には、BCG注射、ピアス、手術後、熱傷などからも発症することもあります。
こういった普通の傷痕にもなりうるものが、傷が治る過程で内部の炎症が強く長続きすることでケロイドや肥厚性瘢痕になります。(傷の範囲を超えて広がる瘢痕をケロイド、とどまるものを肥厚性瘢痕として分類されます)
治療法についてですが、次のような種類に分けられます。
①内服(リザベン®や柴苓湯®)
内部で長続きしている炎症に対して、炎症を抑える効果があると考えられています。
②外用薬(ステロイド外用・テープ)
③注射(ステロイド注入)
ステロイド剤はより強力な抗炎症効果がありますが、内服にしてしまうと全身の炎症が起こっていない部位にまで回ってしまうので、局所の外用や注射で炎症部位に直接届ける必要があります。
④手術
こちらにつきましては、ひきつれがある、整容的に問題となる、感染を繰り返す場合などが適応になります。
炎症の強い部分を中心に切除し、緊張がかからないように縫合することで再発を予防することが出来ます。
切除範囲が大きく、縫い合わせただけだと緊張がかかってしまう場合には、適宜形成外科的な手法(Z形成術や皮弁形成)を用いて広範な施術を行うこともあります。
⑤放射線治療(通常、手術と同時に行う)
術後2-3日以内に照射を開始し、再発を予防するために行います。
⑥レーザー
赤みをとる、凸凹を平らにする効果があります。
抗炎症効果はないので、炎症が強かったり、厚みのあるケロイド・肥厚性瘢痕には効果が低いです。
⑦メイクアップ
顔や腕など、目立つ場所は、メイクによりカバーすることで目立ちにくくする
また、ケロイドや肥厚性瘢痕は治療する際に炎症を抑えることになりますが、その炎症を抑える効果が不十分だと再発する可能性があります。傷は刺激が加わると治りが悪くなり、炎症状態が遷延するので、動かさないことが何より大事です。動かさないためには、テープによる固定、シリコンジェルシートによる保護、関節部はサポーターや包帯で固定を行うなどが考えられます。
ケロイドや肥厚性瘢痕が再発しないようにするためには、術後の安静・圧迫・固定を第一に考えましょう。
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