ブログ
鼻中隔の曲がり~鼻中隔湾曲と矯正術
2024.03.26
普段は鼻の外見上の「形態」についての話が多いですが、今回は「機能面」に着目して記載していきます。
機能面と言うと、今回は「鼻づまり」についてです。
鼻という器官は、嗅覚機能と呼吸機能を担っています。どちらの機能も気流の通り道という意味で、鼻は大変重要な部位です。
その点、呼吸の気流が障害される「鼻づまり」は、嗅覚も呼吸も大分障害されてしまいます。
さて、この鼻づまりという症状を起こす疾患で最も代表的なものは「鼻中隔湾曲症」と呼ばれるもので、鼻の中に存在する鼻中隔という部位が曲がってしまうことによる疾患です。
今回はこの鼻中隔湾曲症の、原因・症状・治療法について解説していきます。
①鼻中隔とはそもそも何か
鼻中隔とは鼻の穴を左右に隔てている壁のことをいいます。
鼻中隔は骨性・軟骨性・膜性に分類されます。
軟骨性は鼻中隔軟骨という薄い一枚の軟骨によって形作られています。
鼻中隔軟骨と緩やかに連結する2枚の骨は頭側が篩骨垂直板、尾側が鋤骨という骨で、それぞれが頭蓋骨の一部を形成しています。
②気流の通り道と鼻閉症状
鼻腔内の気流の通り道は、この図のように、外から見える鼻の穴から通じる気流の通り道はのどの奥まで合流することなく、このように真ん中で隔てられています。
③曲がるとどんな症状が出るの?
さて、上の図から気流の通り道を考えてみると、
側壁と中隔の間の空間が狭窄することによって「鼻づまり」という症状は起こります。
言い換えると、中隔が湾曲すると凸面側は鼻腔の断面積が狭小化してしまい、鼻づまりとして自覚されます。
そして、この鼻中隔が強く曲がってしまう病気のほとんどは「鼻中隔湾曲症」というものです。
この鼻中隔湾曲症では、鼻腔内の気流の流れの変化により、鼻づまり症状が出現します。
また、慢性的な気道狭窄から波及して次のような症状が出ることもあります。
- 鼻ではなく口で呼吸をするようになる
- 扁桃が肥大し、いびきをかく、更に睡眠不足になる
- においを正常に感じ取れなくなる(嗅覚障害)
- 粘膜の凸面は静脈叢が発達し、過敏になるため鼻血が出やすくなる
といった症状が懸念されます。
また、鼻中隔は外鼻形態を支える支持構造としても非常に重要なため、鼻中隔に変形が発生すると外鼻形態も変わってしまうことがあります。
例えば斜鼻や鞍鼻変形などもこれに当たります。ですので、鼻の形を変えたいという希望で来院された患者様が、診察の際に鼻中隔変形を持っていたという例も考えられます。
逆に、外鼻形成を行う際に、間違った操作を行うことで、鼻中隔の正中性が失われ、鞍鼻や斜鼻などの外鼻変形を生じる可能性もあります。
つまり外鼻変形術と鼻中隔矯正術は切っても切れない関係性であると言えます。
④鼻中隔が曲がる原因
鼻中隔は軟骨と骨で構成されています。思春期までの成長過程で身体や頭が大きくなっていくにしたがって、この軟骨と骨も成長していきます。
しかし、軟骨の成長スピードが周囲の骨よりも早い場合、周囲の骨に合わせて圧排されるために軟骨が湾曲していくことがあります。これが鼻中隔の湾曲が生じる典型的な原因です。
その他にも、鼻に強い衝撃を受けることで打撲や骨折といった外傷を負うことも曲がる原因になります。
他にも、出産時に、産道でので外的に圧迫されることで変形のリスクもあると言われています。
このように、鼻中隔という部位は、通常に日常生活を営んでいても、曲がる可能性を孕んでいます。
⑤曲がる部位とそれに応じた治療法
さて鼻中隔の曲がりを考える際に一番考えなければならないことは異常部位はどこの領域なのか?ということです。
軟骨性の場合、鼻中隔軟骨の曲がりを矯正していく方針になる訳ですが、部位ごとに外鼻変形を起こさないように気を付けながら曲がりを治していく必要があります。
しかしながら、軟骨は内在的な形状記憶を持っており、一過性に症状が改善したとしても、時間の経過と共に元の形状に戻ろうとする性質もあります。
このため、必要に応じて軟骨の切除や、部位に応じて置換、より硬い軟骨(肋軟骨など)を用いて補強など様々な方針が考えられます。
当院では、症状に応じて最大限のプランを提案させていただきます。
是非一度相談へお越しください。
おすすめ記事
ARCHIVES
- 2024年11月 (6)
- 2024年10月 (7)
- 2024年9月 (10)
- 2024年8月 (10)
- 2024年7月 (4)
- 2024年6月 (14)
- 2024年5月 (3)
- 2024年4月 (9)
- 2024年3月 (5)
- 2024年2月 (5)
- 2024年1月 (6)
- 2023年12月 (9)
- 2023年11月 (7)
- 2023年10月 (6)
- 2023年9月 (10)
- 2023年8月 (6)
- 2023年7月 (6)
- 2023年6月 (10)
- 2023年5月 (6)
- 2023年4月 (10)
- 2023年3月 (7)
- 2023年2月 (7)
- 2023年1月 (7)
- 2022年12月 (7)
- 2022年11月 (4)
- 2022年10月 (8)
- 2022年9月 (8)
- 2022年8月 (9)
- 2022年6月 (1)
- 2022年5月 (1)
- 2022年4月 (3)
- 2022年2月 (2)
- 2022年1月 (1)
- 2021年12月 (2)
- 2021年11月 (4)
- 2021年10月 (3)
- 2021年9月 (2)
- 2021年8月 (2)
- 2021年7月 (4)
- 2021年6月 (5)
- 2021年5月 (4)
- 2021年4月 (14)
- 2021年3月 (7)
- 2021年2月 (5)
- 2021年1月 (16)
「医療広告ガイドライン」を遵守して作成しております。
お電話またはWEBフォームより
ご予約を受け付けております。
カウンセリングは無料です。
まずはお気軽にご相談ください。
診療時間 10:00~19:00 不定休
電話番号:03-6228-7881
東京都中央区銀座2丁⽬4−18 ALBORE GINZA 9F