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他院鼻整形後の鼻尖皮膚菲薄化に対する鼻修正・再建手術
2026.06.21
「鼻全体を低くしたい」というご希望で来院された症例
皆さんこんにちは。Rビューティークリニック副院長の吉田です。
今回ご紹介するのは、過去に他院で鼻整形を受けた後、鼻全体の高さと鼻尖部の皮膚の薄さが気になり、当院を受診された患者様です。
鼻の修正手術では、単純に高さや形を変えるだけではなく、前回の手術で使用された移植材料や、鼻尖部の皮膚の状態を正確に評価する必要があります。
特に、複数の人工物や軟骨が移植されている場合には、皮膚への負担や感染、移植材料の露出といった問題も考慮しながら、治療方針を立てなければなりません。
他院で行われていた手術
患者様は、数年前に他院で鼻整形を受けていました。
もともと鼻背部には、骨や軟骨が突出した「ハンプ」がありましたが、前回の手術ではハンプ自体を切除するのではなく、その上からシリコンプロテーゼを挿入することで、鼻背のラインを整える処置が行われていました。
また、鼻尖部には寄贈肋軟骨を使用した鼻中隔延長術が行われていました。
寄贈肋軟骨とは、本人から採取した自家肋軟骨ではなく、他人の死体提供された肋軟骨を加工して使用する移植材料です。
鼻中隔延長術では、鼻尖の位置や向きを調整するために軟骨を移植しますが、移植する軟骨の大きさや硬さ、固定位置によっては、長期的に鼻尖部の皮膚へ強い負担がかかることがあります。
診察時に認めた鼻尖皮膚の菲薄化
患者様の主なご希望は、「鼻全体を現在より低くしたい」というものでした。
診察では鼻背から鼻尖にかけての高さだけでなく、皮膚の厚みや移植材料の位置、鼻尖部の硬さなどを慎重に確認しました。
その結果、鼻尖部の皮膚に著明な菲薄化を認めました。
鼻尖の皮膚が薄くなると、内部に移植されている軟骨の輪郭が透けて見えたり、鼻尖が白っぽく見えたりすることがあります。さらに菲薄化が進行した場合には、内部の軟骨が皮膚を圧迫し、最終的に皮膚を穿破して露出する可能性もあります。
特に今回の症例では、鼻尖部に硬い寄贈肋軟骨が移植されていたため、単に鼻を低くするだけではなく、菲薄化した皮膚にかかる圧力を軽減し、鼻尖部を保護することが重要と判断しました。
鼻の高さを下げながら、鼻尖を再建する治療方針
今回の手術では、オープンアプローチによる修正鼻整形を行いました。
オープンアプローチとは、鼻柱部分を切開し、鼻尖部の皮膚を展開して、内部の軟骨や移植材料を直接確認しながら手術を行う方法です。
修正手術では、前回の手術による瘢痕や軟骨の変形、移植材料の位置を正確に確認する必要があります。そのため、複雑な再建を行う場合には、オープンアプローチが適していることがあります。
今回の主な手術内容は、次の通りです。
- 鼻背部のプロテーゼの抜去および入れ替え
- 鼻尖部に移植されていた寄贈肋軟骨の全摘出
- 耳介軟骨を使用した鼻尖部の再構築
- 表在乳様突起筋膜を使用した菲薄化した鼻尖皮膚の保護
プロテーゼを入れ替え、自然な鼻背ラインへ
鼻背部では、既存のプロテーゼを抜去し、患者様の希望する高さと鼻背の形に合わせて、新しいプロテーゼへ入れ替えました。
もともとの鼻背にはハンプがあり、その上からプロテーゼが挿入されていたため、単純に薄いプロテーゼへ変更するだけでは、ハンプの突出が再び目立つ可能性があります。
そのため、ハンプの位置や鼻骨の形を確認しながら、鼻背全体が滑らかなカーブを描くように調整しました。
鼻を低くする修正手術では、プロテーゼを小さくすれば必ず自然になるわけではありません。鼻根部から鼻尖に至るまでのラインに段差がなく、正面だけでなく斜めや横から見ても自然に連続していることが重要です。
寄贈肋軟骨を摘出し、耳介軟骨で鼻尖を再構築
鼻尖部では、前回の鼻中隔延長術で移植されていた寄贈肋軟骨を全て摘出しました。
菲薄化した鼻尖皮膚の直下に硬い軟骨が残っていると、手術後も皮膚への圧迫が続く可能性があります。そのため、今回の手術では問題となっている移植軟骨を残さず摘出し、より柔軟性のある耳介軟骨を用いて鼻尖部を再構築しました。
耳介軟骨は、肋軟骨と比較すると柔らかく、自然な丸みをもったシルエットを形成しやすいという特徴があります。
ただし、単に軟骨を柔らかいものに入れ替えるだけでは、すでに薄くなった鼻尖皮膚を十分に保護できないことがあります。
そこで今回は、耳介軟骨に加えて、耳の後方から採取した表在乳様突起筋膜を鼻尖部にクッションとして移植しました。
表在乳様突起筋膜による鼻尖皮膚の保護
表在乳様突起筋膜は、耳の後方に存在する薄い筋膜組織です。
鼻尖部に筋膜を移植することで、皮膚と軟骨の間に柔らかな組織の層を追加することができます。
これにより、移植した軟骨の輪郭が皮膚表面から透けて見えることを防ぎ、薄くなった鼻尖皮膚に対するクッションとして機能することが期待できます。
鼻尖皮膚が菲薄化した症例では、鼻先の形を整えるだけでなく、皮膚と軟骨の間に十分な厚みをつくることが重要です。
特に修正手術では、前回の手術によって皮下組織が瘢痕化し、本来存在していた柔らかな組織が失われていることがあります。筋膜を使用することで、不足した軟部組織を補い、鼻尖部を保護します。
術後の経過
こちらは、一か月目の症例になります。
術後は、鼻尖部に認めていた軟骨の透過が改善しました。
鼻背部についても、プロテーゼの高さと形を調整したことで、もともとのハンプの突出が目立たなくなり、鼻根部から鼻尖部にかけて滑らかなカーブを描く自然なラインとなりました。
患者様は鼻全体を低くすることを希望されていましたが、ただ鼻を低く、太くするのではなく、鼻尖部の細さは可能な範囲で維持しています。
鼻尖のシャープさを保ちながら、皮膚への負担を軽減し、鼻背の高さを自然に抑えることができました。
こちらは半年以上経過した時点での写真です。
現在まで、鼻尖部の皮膚の状態を含め、経過は良好です。
鼻の修正手術では「形」と「安全性」の両方が重要です
他院で行った鼻整形を修正する場合、患者様のご希望だけでなく、鼻内部に使用されている材料、皮膚の厚み、瘢痕の程度、残存している鼻中隔軟骨などを総合的に判断する必要があります。
特に、鼻尖部の皮膚が薄くなっている場合には、単に軟骨を削ったり、鼻先を低くしたりするだけでは十分ではありません。
皮膚への圧力を減らし、必要に応じて耳介軟骨や筋膜などを用いて、鼻尖部を再建・保護することが重要です。
修正手術は、初回の鼻整形と比べて内部の状態が複雑であり、必要となる術式も患者様ごとに大きく異なります。
過去に鼻整形を受けた後、次のような症状でお悩みの方は、一度ご相談ください。
- 鼻が高すぎる、または長すぎる
- 鼻尖の軟骨が透けて見える
- 鼻先の皮膚が薄く、白っぽく見える
- 鼻先が硬い、痛みや違和感がある
- プロテーゼや移植軟骨の輪郭が目立つ
- 鼻背に段差や不自然なラインがある
- 他院修正について相談したい
鼻の修正手術では、現在の形を変えることだけでなく、長期的に安定した鼻の構造を再建することが大切です。
過去の手術内容が分からない場合でも、診察によって皮膚や軟骨の状態を確認し、適切な治療方針をご提案します。鼻整形後の形や皮膚の状態でお悩みの方は、当院までご相談ください。
※手術結果や術後経過には個人差があります。修正手術では、前回の手術内容や鼻内部の瘢痕、使用されている移植材料などによって、実施できる術式や得られる変化が異なります。
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