陥没乳頭の手術で切らない方法はある？治療法やダウンタイム、放置のリスク、保険適用になるかを解説！

「陥没乳頭の手術で切らない方法はある？」
「切らない手術なら授乳機能は保たれる？」
「陥没乳頭の手術は保険が適用される？それとも全額自己負担？」

陥没乳頭に悩んでいる方の中には、手術を考えているものの、胸にメスを入れることに抵抗を感じる方も多いでしょう。しかし、実は切らない手術方法も存在します。

陥没乳頭の種類や原因、放置するリスクを理解することで、より安心して治療を選択できるはずです。この記事では、「陥没乳頭の手術で切らない治療法やダウンタイム」「放置するリスク」「保険適用の有無」についてご紹介します。陥没乳頭でお悩みの方は、1人で抱え込まずにご相談ください。

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陥没乳頭の手術で切らない方法はある？

陥没乳頭を改善する方法の1つに、手術があります。手術と聞くと「切る」というイメージを抱く方も多いかもしれません。

しかし、陥没乳頭の施術方法は、「切らない手術」と「切る手術」に大きく分けられます。まずは、切らない陥没乳頭手術の内容についてみていきましょう。

切らない陥没乳頭手術とは

• 治療方法
• ダウンタイム・副作用

切らない陥没乳頭手術について、治療方法およびダウンタイム・副作用に分けてそれぞれ詳しく解説します。

切らない陥没乳頭手術の治療方法

切らない陥没乳頭手術は、陥没乳頭の改善を目的とした治療法です。この方法では、体に負担をかけることなく、乳頭が自然な形で突出するようにサポートします。

約2mmの針穴から糸を通して、環状に数か所固定するのみで、術後の傷はほとんど目立ちません。陥没している乳頭を引き出し、再度陥没しないよう固定することで、乳頭の形状を整えます。この治療により、乳頭が乳房内に埋もれている状態を改善し、見た目が自然になることが期待できます。

切らない陥没乳頭手術のダウンタイム・合併症

切らない陥没乳頭手術のダウンタイムは短く、一般的に手術後すぐに日常生活に戻れるのが特徴です。施術時間は約15〜40分です。ただし、術後1週間は激しい運動や飲酒を控えるようにしましょう。

また、合併症しては、以下のような症状が報告されています。

• 感染
• 血腫や内出血
• 瘢痕やケロイド
• 腫れや軽い疼痛（つままれたような痛み）
• 乳頭の知覚鈍麻
• 乳頭壊死（重篤なケースは非常にまれ）

ほとんどの場合、合併症は軽度で、適切なアフターケアを行うことで早期に改善します。乳頭壊死のような重篤な副作用はまれですが、万が一の場合に備えて、手術後も定期的に経過観察を受けることが大切です。
ですが、手術の適応は限られており、状態によっては再陥没のリスクも高いため、医師の判断によっては切る陥没乳頭手術をおすすめする場合もあります。

陥没乳頭は程度によって2種類に分類される

陥没乳頭は、程度に応じて2つのタイプに分類されます。主な判断基準は、刺激を与えた際に乳頭が突出するかどうかです。

陥没乳頭の種類

• 刺激を与えると突出する「仮性陥没乳頭」
• 刺激を与えても突出しない「真性陥没乳頭」

上記の分類によって、適した治療方法が異なります。仮性陥没乳頭はセルフケアや軽度の治療で改善する場合がありますが、真性陥没乳頭は専門的な治療が必要になることが一般的です。

それぞれの状態について詳しく解説しますので、あなたの陥没乳頭のタイプを知るための参考にしてください。

刺激を与えると突出する「仮性陥没乳頭」

仮性陥没乳頭は内側に入り込んだ乳頭を指で引っ張ったり刺激を与えたりすると、一時的に乳頭が外側に突出する状態を指します。仮性陥没乳頭では、乳頭周囲の結合組織や皮膚が柔らかいため、わずかな力で乳頭を引き出せるのが特徴です。

ただし、突出した乳頭は刺激がなくなると再び内側に戻ってしまうことが多く、自然に改善するのは難しい場合があります。そのため、仮性陥没乳頭のケアには、継続的な対策が重要です。

軽度であれば、専用の吸引器を使った治療や日々のマッサージなどが有効とされています。

刺激を与えても突出しない「真性陥没乳頭」

真性陥没乳頭とは、乳頭が完全に内側へ引き込まれており、指で引っ張るなどの刺激を加えても全く外に出てこない状態です。真性陥没乳頭では乳頭周囲の組織が硬化しているため、物理的に引き出すことが難しく、自然に改善することはほとんどありません。

また、マッサージや乳頭吸引器などの一般的なセルフケア方法では効果が得られにくいのが特徴です。そのため、真性陥没乳頭の改善には医療機関での診察を受け、必要に応じて手術を検討することが推奨されます。

陥没乳頭はなぜ起こる？先天性・後天性の原因

陥没乳頭の原因は、大きく分けて先天的なものと後天的なものの2種類に分類されます。先天的は「生まれつき」、後天的は「生まれたあとに発生する」という意味です。

陥没乳頭の原因

• 先天性の要因
• 後天性の要因

先天的か後天的かによって、それぞれの要因も異なってきます。まずは、先天的か後天的かを見極めることが重要です。2つの原因について、それぞれ詳しくみていきましょう。

原因①：陥没乳頭になる先天性の要因

陥没乳頭になる先天性の要因には、乳管の未発達があります。

上記が原因で乳頭が内側に引っ込んだり、外に出にくくなったりします。女性の10〜20％は先天的な原因で陥没乳頭の状態になりますが、授乳を始めるまでは特に問題を感じないことがほとんどです。

先天的な陥没乳頭は家族内で受け継がれることがあり、約50％の確率で遺伝が影響しているとされています。

原因②：陥没乳頭になる後天性の要因

陥没乳頭になる後天性の要因は、以下が挙げられます。

• 成長期の発達バランスの乱れ
• 乳房への打撲や急激な体重減少
• 乳腺炎の後遺症
• 乳房への外科治療
• 乳がん、乳房パジェット病、乳管内乳頭腫、乳管腺腫、乳頭部腺腫（乳輪下乳管乳頭腫症）などの病気による影響

一般的に後天性の陥没乳頭は、出生時には正常だった乳頭が、成長や時間の経過に伴い内側に引っ込むことで生じます。これらの原因は単独、あるいは複数が組み合わさって影響し、陥没乳頭が引き起こされることが多いとされています。

陥没乳頭を放置すると起こりやすい3つのリスク

陥没乳頭を改善したいと思っていても、実際に治療に踏み切る方は少ないかもしれません。治療を行わなくても命に関わることはありませんが、放置することで以下の3つのリスクが生じる可能性があります。

陥没乳頭のリスク

1. 乳腺炎になる可能性が高くなる
2. 授乳がしにくい
3. コンプレックスに感じる

これらのリスクが日常生活に影響を与え、生活の質を低下させる可能性があるため、早期に対策を講じることが重要です。陥没乳頭を放置する3つのリスクについて、それぞれ詳しくみていきましょう。

リスク①：乳腺炎になる可能性が高くなる

陥没乳頭のリスクの1つ目は、乳腺炎の発症リスクが高まることです。乳腺炎とは、乳房にある乳腺に炎症が生じる病気で、次のような症状が現れることがあります。

• 乳房や胸周辺の痛み
• 乳房の熱感や赤み、しこり
• 頭痛
• 発熱
• 関節痛
• 寒気

放置すると症状が正常な乳腺部分まで広がり、治療が困難になるケースもあります。乳腺炎の主な原因は、「母乳のうっ滞」と「細菌感染」です。
陥没乳頭は、乳頭付近に汚れが溜まりやすいため、細菌感染を原因とする化膿性乳腺炎に発展する可能性もあります。さらに、慢性的な乳腺炎の原因となることもあり、乳房の健康に長期的な影響を及ぼすこともあるでしょう。

リスク②：授乳がしにくい

陥没乳頭のリスクの2つ目は、授乳しにくいことです。陥没乳頭には、刺激を与えると乳頭が突出する「仮性陥没乳頭」と刺激を加えても乳頭が出てこない「真性陥没乳頭」があります。この違いにより、授乳のしやすさにも差が生じます。

仮性陥没乳頭の場合、マッサージや刺激を与えることで乳頭が外に出るため、授乳は比較的スムーズに行えるでしょう。しかし、真性陥没乳頭では乳頭が出ないため、赤ちゃんが乳頭をうまく吸えない可能性があります。

リスク③：コンプレックスに感じる

陥没乳頭のリスクの3つ目は、コンプレックスに感じることです。特に思春期以降、陥没乳頭が気になる原因となる場合があります。

先天性陥没乳頭の場合、思春期を迎えるころに自然に治るケースもありますが、そのまま陥没した状態が続くこともあります。この時期は心が敏感であり、周囲との違いを意識してつらい思いをするかもしれません。

例えば、友人とのプールや温泉での脱衣所で気にしてしまう場面もあるでしょう。さらに、恋人ができると、自分の体を見せることへの不安や羞恥心が強まり、気軽に交流を楽しめなくなることも考えられます。

陥没乳頭が命に関わる問題でないとしても、自己評価の低下など、日常生活に支障をきたすことがあります。

陥没乳頭の手術に関するよくある質問

陥没乳頭の手術を検討する際、多くの方が次のような疑問を抱きます。

よくある質問

• 陥没乳頭の切らない手術は保険適用なの？
• 陥没乳頭の切る手術はどんな方法？
• 陥没乳頭は授乳で治ったりするの？
• 陥没乳頭だと乳がんになりやすい？

上記の質問への回答は、陥没乳頭の状態や選択する治療方法によって異なります。そのため、手術を受ける前に知識を持っておくことは、病院での診察や治療をスムーズに進めるうえで役立つはずです。

ここでは、よくある4つの質問とその回答をセットでご紹介します。それぞれのポイントを押さえ、正しい情報をもとに治療を進めていきましょう。

陥没乳頭の切らない手術は保険適用なの？

陥没乳頭の切らない手術が保険適用になるには、以下の条件を満たす必要があります。

• 40歳未満であること
• 今後授乳を予定していること
• 医師によって授乳が困難であると診断されること

また、治療目的ではなく、美容目的で手術を受ける場合には保険適用とはならず、自費診療となります。治療を希望する場合は、まず医師に相談し、自身の状況に応じた適切なアドバイスを受けることが重要です。

陥没乳頭の切る手術はどんな方法？

陥没乳頭の治療には、切らない手術もありますが、症状によっては外科的な切る手術が必要になる場合もあります。

切る手術(切開法)は、切らない手術では対応が難しいような陥没乳頭に用いられる治療法です。切開法では、乳管や結合組織を直接切開し、内側に引っ張られる力を取り除きます。そのあと、切開部を利用して乳頭を整え、立ち上がりを持続させるように縫い合わせます。

施術時間は30〜60分程度です。副作用として、腫れや内出血、感染のリスクなどが挙げられます。

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陥没乳頭は授乳で治ったりするの？

仮性陥没乳頭の場合、授乳が効果をもたらすことがあります。授乳を通じて乳腺が発達し、乳頭の形が改善される可能性があるからです。

授乳中に乳頭が刺激されることで、一時的に突出することもあります。しかし、この突出は一時的なもので、授乳後には再び陥没した状態に戻ることが多いため、根本的な解決にはなりません。

一方、真性陥没乳頭の場合は、授乳だけでは十分な改善が期待できないことが一般的です。このため、授乳が陥没乳頭を治すという考え方は、すべてのケースに当てはまるわけではありません。

陥没乳頭だと乳がんになりやすい？

陥没乳頭そのものが、直接乳がんのリスクを高めることはありません。ただし、特に注意が必要なのは、これまで正常だった乳頭が陥没した場合です。

このような急な変化は、乳がんなどの病気が原因となっている可能性があります。そのため、異変に気づいた際は、すみやかに医療機関を受診し、医師の診察を受けることが重要です。早期発見・早期治療のために、乳頭や乳房の変化には常に気を配りましょう。

まとめ

陥没乳頭は、「仮性陥没乳頭」と「真性陥没乳頭」に分類され、その原因は「先天性」と「後天性」に分かれます。陥没乳頭を放置すると、乳腺炎のリスクが高まる可能性があります。

さらに、授乳が難しくなったり、コンプレックスを感じたりすることもあるでしょう。手術による陥没乳頭の治療には、切らない方法も存在します。

しかし、切らない方法を希望しても、症状によっては選択できないケースもあります。そのため、専門医のアドバイスを受けながら、自分に合った治療方法を納得して選択することが重要です。

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