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拘縮変形後の鼻に対する他院修正―構造再建の重要性と長期経過
2026.04.10
皆さんこんにちは。Rビューティークリニック副院長の吉田です。
今回は鼻の他院修正について、解説します。
鼻の整形において、術後の拘縮変形は、機能的・審美的の両面で大きな問題となる難治性の合併症の一つです。時に肋軟骨を必要とする症例もあります。
本コラムでは、他院での手術後に拘縮を生じ、著明な短鼻変形をきたした症例に対する修正手術の一例とその経過について解説します。
■ 術前の状態
本症例は、他院にてプロテーゼ挿入および耳介軟骨を用いた鼻中隔延長術を受けた既往を有していました。
しかし術後より徐々に拘縮が進行し、最終的には
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鼻尖の強い上方偏位
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鼻柱の高度な後退
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鼻全体の短縮
が生じ、明らかに短い鼻形態となっていました。
当院初診時には、鼻柱の支持は著しく失われ、いわゆるACR(alar-columellar relationship)のバランスは完全に破綻している状態でした。皮膚・軟部組織の収縮力も強く、耳介軟骨移植などの単純な修正では対応困難な症例でした。
■ 手術方法
本症例に対しては、「構造の再建」を最優先としたアプローチを選択しました。
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体外鼻中隔矯正(extracorporeal septoplasty)
肋軟骨を用いて新たな鼻中隔支持構造を作成し、鼻尖支持を根本から再建しました。 -
鼻背の再建
既存のプロテーゼは抜去し、鼻背はすべて肋軟骨により再建しました。 -
鼻孔縁下降術
鼻孔縁の組織不足に対して、耳介複合組織片移植を行い、鼻孔縁の位置を下方へ調整しました。
これらを組み合わせることで、拘縮により崩壊した三次元構造を包括的に再建しています。
■ 術後経過
術後1週間
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鼻尖部に浮腫は残存
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しかし、鼻柱の前方突出が回復し、ACRバランスは大きく改善
術後2週間
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鼻腔内の抜糸を施行
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感染兆候なく安定した経過
術後1か月
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浮腫はさらに軽減
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鼻背ラインが明瞭となり、自然な輪郭が形成される
術後10か月
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拘縮の再発は認めず
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長期的にも安定した形態を維持
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審美的にも満足度の高い結果
■ 本症例のポイント
本症例において重要であった点は、以下の2点に集約されます。
① 拘縮症例における構造強化の必要性
拘縮がすでに生じている場合、皮膚・軟部組織の収縮力(contraction power)は非常に強く、弱い支持構造では再び変形を招くリスクがあります。そのため、十分な強度と長期安定性を確保する目的で、肋軟骨による再建が不可欠でした。
② 人工物を排除した再建の重要性
プロテーゼなどの人工物は、拘縮の一因となる可能性があります。このような修正症例では、再発リスクを最小限にするためにも、鼻背を含め全体を自己組織で再建することが重要です。
■ まとめ
拘縮による鼻変形の修正は、単なる形態の調整ではなく、「構造の再建」が本質となります。特に重度症例では、肋軟骨を用いた強固な支持構造の構築と、人工物に依存しない再建が、長期的な安定性を左右します。
適切な術式選択と丁寧な手術操作により、困難な症例であっても機能的・審美的な改善は十分に可能です。拘縮変形でお悩みの方は、経験豊富な医師による評価を受けることが重要です。
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