鼻の基部前進(貴族手術)とは？

R Beauty CLINIC銀座院の副院長の吉田です。
今回は鼻整形における比較的マイナーな部位である“基部”について解説します。

①“基部”とは？沈み込み？
まず用語についての解説です。そもそも基部とは土台の支える部位であり、鼻の基部とは主に小鼻の付け根の部分を指します(鼻翼基部と呼びます)。また、鼻の穴と穴の間の仕切りの部位(鼻柱と呼びます)から上唇に移行する部位は鼻柱基部と呼ばれます。

この鼻柱・鼻翼基部の発達は中顔面の印象を大きく司り、骨格の問題などで発達が不十分で、ここが顔に埋もれるように沈み込んでいる方がいらっしゃいます。

この部分が埋もれるとどのようになるかというと、鼻翼基部という場所はほうれい線が始まる部分であるので、ここが陥没していると弛みがなくてもほうれい線が深く見えてしまい、相対的に口元が前に出て見えてしまうこともあります。

また、鼻柱基部が陥没(後退)している人は人中が間延びして見えてしまい、口元に引き締まった印象を与えませんし、上唇がアヒルのように突出して見えることがあります。

ですから、鼻柱・鼻翼基部の沈み込みを埋めることで、それまでよりちょっと上品で引き締まった口元を演出することが出来ます。

②治療方法～前進手術
ではこの鼻柱・鼻翼基部の陥没をどのように改善させるかというと、実際には何かの素材によるボリューム充填による治療法が広く行われています。医学的に正しい呼び方では鼻翼基部前進手術などと言ったりしますが、どうにも小難しい感じがするので、一般的には「貴族手術」という名称の方が馴染まれているようです。この部分を持ち上げることで、上品な印象が得られるということらしいです。
さて、その具体的に入れる注入素材は何かというと、大きく次の4つにわけることが出来ます。
具体的には、
・シリコン
・砕片自己軟骨
・自己脂肪
・ヒアルロン酸
が挙げられます。
それぞれの特徴を表にまとめると次のようになります。

	硬い	柔らかい
自己組織	自己軟骨	脂肪注入
人工物	シリコンプロテーゼ	ヒアルロン酸

このように【人工物or自己組織】×【硬いor柔らかい】といった性質で分類が可能です。
硬い素材であるシリコンプロテーゼや軟骨は形成力に優れていますが、表情に応じて若干目立つというデメリットがあります。
それに対して、柔らかい素材である自己脂肪やヒアルロン酸は形成力では劣りますが、表情に応じて自然に馴染むというメリットがあります。

③実際の症例
実際の症例を見てみましょう。

この方はもともと人中の長さを気にされご相談がありました。お若い方ですが、ほうれい線が目立ちます。
診察の結果、短鼻のshort columella type（鼻柱退縮）及び中顔面の前方への発育不良が認められました。
ですので治療方針としては
1.シリコンプロテーゼによる隆鼻術
2.鼻中隔延長術による鼻柱形成
3.脂肪注入による鼻翼基部形成
の方針となりました。

正面での手術前後の変化になります。

横顔での変化です。
プロテーゼ挿入および鼻中隔延長術により鼻の短さが改善されました。鼻中隔延長術により鼻柱退縮が改善され、この方が当初お悩みだった人中の長さが改善されているのが分かりますね.
鼻翼基部への脂肪注入を行ったところ、ほうれい線も薄くなり、中顔面の立体感が大幅に改善しました。
このように、鼻の“基部”の発達が悪い方は、鼻の施術のみでなく、同時に基部へのアプローチを行うことで印象を大きく変えることが出来ます。
自分ではどうかはわからない！という方はまずは一度カウンセリングにお越しください。