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口角挙上の口内法とは?傷跡・効果・ダウンタイムを美容外科医が解説
2026.07.22
皆さんこんにちは。Rビューティークリニック副院長の吉田です。今回は口角挙上の「口内法」について解説していきます!
さて、口角が下がっていると、本人にそのつもりがなくても、「不機嫌そう」「疲れて見える」「悲しそう」といった印象を与えることもあります。
口角挙上は、下向きになった口角の位置を調整し、口元を明るく柔らかな印象へ整える手術です。
一般的な口角挙上では、口角付近の皮膚を切開する方法がよく知られています。一方で、口元の皮膚を切開せず、口腔内の粘膜側から口角周囲の筋肉へアプローチする【口内法】という方法もあります。
口角挙上って?
口角挙上とは、下がっている口角の位置や向きを調整し、口元全体の印象を整える治療です。
口角が下がって見える原因には、主に次のようなものがあります。
-
生まれつき口角が下向きである
-
口角を下へ引く筋肉の動きが強い
-
加齢によって口元の皮膚がたるんでしまった
- マリオネットラインが深くなっている
-
左右の表情筋の働きに差がある
口角は、潜在的に人に与える印象が強い部位で、感情を読み取るうえで重要です。口角が下がっていると、無表情時でも悲しさや疲労感、怒っているような印象につながることがあります。
口角挙上で期待できる効果
下がった口角を上向きに整える
安静時に下向きになっている口角を、水平または緩やかに上向きになるよう調整します。
不機嫌そうな印象を和らげる
口角の下降が改善すると、無表情時の怒っているような印象や、疲れているような印象が和らぐことがあります。
口元を明るく若々しい印象に整える
加齢によって口角が下がると、下顔面全体が重く見えることがあります。口角を整えることで、口元を軽く柔らかな印象へ近づけます。
口角の左右差を調整する
左右で口角の高さや筋肉の動きが異なる場合には、状態に応じて左右の処理や固定位置を調整します。
ただし、口角挙上は常に笑っているような口元を作る手術ではありません。安静時の口角を自然な位置へ整えることが主な目的です。
口角挙上が適している方
口角挙上は、次のような悩みがある方に適している可能性があります。
-
生まれつき口角が下がっている
-
無表情だと不機嫌そうに見られる
-
口元が暗い、疲れた印象に見える
-
加齢とともに口角が下がってきた
-
口角下制筋の働きが強い
-
ボツリヌストキシン注射より持続的な治療を希望している
口角が下がる原因となる「口角下制筋」
口角周囲には、複数の表情筋が集まっています。
この複数の筋線維の集まりは、モダイオラスと呼ばれる複雑な筋線維の集合部を形成します。口角の位置は、口角を上へ引く筋肉と下へ引く筋肉のバランスによって決まります。
そのうち、口角下制筋は英語でdepressor anguli oris muscle:DAOと呼ばれ、下顎骨から口角へ向かって斜め下に引き下げるように走行しています。
口角下制筋が収縮すると、口角は斜め下へ引っ張られます。この口角下制筋が強く発達している場合には、安静時にも張力がかかり口角が下がって見えてしまいます。
一方、逆に口角を上げる筋肉も存在し、大頬骨筋と呼ばれています。この筋肉は頬骨から口角へ向かって走行し、笑ったときなどに口角を上外側へ引く役割を持っています。
口角挙上の「口内法」とは
口角挙上の口内法は、口元の皮膚を切開せず、口腔内の粘膜側から口角周囲の筋肉へアプローチする方法です。

当院で行う口内法では、まず口角内側の口腔粘膜を切開し、口角を下へ引く口角下制筋に操作を加えます。
口角下制筋を離断して、口角を下方向へ引く力を弱めます。さらに、離断した筋肉の断端を、口角を上外側へ引く大頬骨筋側へ縫縮・固定します。
これにより、
-
口角を下へ引く力を弱める
-
口角を上外側へ引く方向に固定する
という二つの作用によって、口角の位置を整えます。
単に口角下制筋を切るだけでなく、断端を大頬骨筋側へ縫縮することで、口角をより上向きの方向へ誘導することが、この方法の特徴です。
口角周囲は複数の表情筋が入り交じる部位であり、筋肉の走行には個人差があります。そのため、口角の高さだけでなく、左右差や笑ったときの動きも確認しながら、処理する範囲と固定方向を調整します。
口内法の最大の特徴は、体表面に傷跡が残らないこと
口内法では、切開から筋肉の処理、縫合まで、すべて口腔内の粘膜側から行います。
顔の皮膚は一切切開しません。
そのため、口角周囲や顔の体表面に切開創は生じず、皮膚表面に手術の傷跡が残らないことが、口内法の最大の利点です。
一般的な皮膚切開による口角挙上では、口角付近の皮膚や赤唇との境界部分を切開します。傷跡が目立ちにくくなるよう設計しますが、皮膚を切開する以上、体表面には傷痕が生じます。
口角挙上に関する各種論文でも、皮膚切開法では術後瘢痕が合併症となり得るため、傷跡を目立ちにくくするさまざまな切開デザインが提案されています。
口内法では口腔粘膜に手術創ができますが、傷は口の中にあるため、顔の外側から見えることはありません。
原則として抜糸は不要
当院の口内法では、口腔内の縫合に吸収糸を使用します。
そのため、原則として抜糸は必要ありません。
術後10日以降になると、粘膜の治癒に伴って糸が緩み、一部または全部が自然に脱落してきます。
口腔内に残っている糸も、時間の経過とともに吸収されます。糸の端が粘膜や舌に当たって気になる場合でも、患者様自身で無理に引っ張ったり、切ったりしないようにしてください。
口内法のダウンタイム
口内法は皮膚の切開や皮膚切除を伴わないため、皮膚切開法に比べて、比較的ダウンタイムを抑えやすい方法です。
皮膚表面の縫合や抜糸がなく、傷跡の赤みを化粧で隠す必要もありません。
術後には、主に次のような症状が生じる可能性があります。
-
口角周囲の腫れ
-
内出血
-
痛みや熱感
-
口の開けにくさ
-
食事や歯磨きの際の違和感
-
口角周囲のつっぱり感
-
一時的な表情の動かしにくさ
-
腫れによる一時的な左右差
腫れや違和感は、通常は手術後数日間を中心に現れ、その後徐々に軽くなっていきます。ただし、腫れの程度や回復までの期間には個人差があります。
口内法では顔の表面に切開創がないため、腫れが軽度であれば、外見上は手術を受けたことが分かりにくいという特徴があります。
口内法と皮膚切開法の違い
| 比較項目 | 口内法 | 皮膚切開法 |
|---|---|---|
| 切開する場所 | 口腔内の粘膜 | 口角周囲の皮膚 |
| 体表面の傷跡 | 残らない | 切開創が生じる |
| 主な操作 | 口角下制筋の離断と筋肉の縫縮・固定 | 皮膚切除、皮膚の移動、必要に応じた筋肉処理 |
| 抜糸 | 原則不要 | 必要となることが多い |
| ダウンタイム | 比較的短い | 腫れに加えて皮膚創の治癒期間が必要 |
| 皮膚のたるみへの効果 | 限定的 | 余剰皮膚を直接切除できる |
| 適した状態 | 筋肉による口角下降が主体 | 皮膚弛緩や余剰皮膚が強い |
どちらの方法が一律に優れているわけではありません。
口角が下がっている原因が筋肉にあるのか、皮膚のたるみにあるのかによって、適した術式は異なります。
皮膚のたるみが強い場合は皮膚切開法が必要
口内法は、口角周囲の筋肉の働きを調整する方法です。
そのため、加齢などによって皮膚の弛緩や余剰皮膚が著明になっている場合には、口内法だけでは十分な改善が得られないことがあります。
例えば、次のような状態です。
-
口角上部の皮膚が大きく余っている
-
口角周囲に深いしわが形成されている
-
マリオネットラインが強い
-
頬やフェイスラインの下垂が著明である
-
口角を指で持ち上げた際に皮膚が大きく余る
-
筋肉よりも皮膚の重さによって口角が下がっている
このような場合には、口角周囲の余剰皮膚を直接切除する、体表面からの口角挙上が適しています。
皮膚切開法では体表面に切開創が生じますが、皮膚のたるみを直接取り除けるため、加齢変化が強い症例では、口内法より確実な改善が期待できる場合があります。
近年の口角挙上に関する報告でも、口角の形態、皮膚弛緩の程度、瘢痕のリスクなどに応じて、複数の手術方法を使い分ける必要性が示されています。
口内法のリスクと注意点
口角挙上の口内法では、次のようなリスクや副作用が生じる可能性があります。
-
腫れ、内出血、痛み
-
出血や血腫
-
感染
-
口角の左右差
-
挙上不足
-
過度な挙上
-
後戻り
-
口角周囲の硬さやつっぱり
-
一時的な表情の違和感
-
感覚の変化
-
修正手術が必要になる可能性
口角挙上術の臨床報告でも、挙上不足、左右差、瘢痕などの合併症が報告されています。口内法では体表面の瘢痕は生じませんが、左右差、挙上不足、後戻りなどの可能性が完全になくなるわけではありません。
また、口角周囲は会話、食事、笑顔などで頻繁に動く部位です。術後早期に強く口を開けたり、創部へ大きな負担をかけたりすると、縫合部に影響する可能性があります。
適切な方法は医師の診察によって判断します
口角が下がって見える原因は、患者様によって異なります。
口角下制筋の働きが強く、皮膚のたるみが少ない場合には、口内法が適している可能性があります。
一方で、皮膚の弛緩が著明な場合や、頬・フェイスラインを含めた下顔面全体の下垂がある場合には、皮膚切開法やほかの治療を組み合わせたほうが、自然で確実な結果につながることがあります。
診察では、主に次の点を確認します。
-
安静時の口角の高さと向き
-
笑ったときの口角の動き
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左右差
-
口角下制筋の働き
-
口角周囲の皮膚のたるみ
-
マリオネットラインの程度
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頬やフェイスラインの下垂
-
歯列や顎骨を含めた下顔面のバランス
-
過去に受けた注入治療や手術
「顔に傷を残したくない」という理由だけで口内法を選択するのではなく、口角が下がっている原因に適した方法を選ぶことが重要です。
詳しい適応については、医師が実際に口角の形態や表情の動きを診察したうえで判断します。
まとめ
口角挙上は、下がっている口角を上向きに整え、口元を明るく柔らかな印象へ近づける手術です。
口内法では、口腔内の粘膜側からアプローチし、口角を下へ引く口角下制筋を離断します。さらに、その断端を口角を上外側へ引く大頬骨筋側へ縫縮・固定することで、口角の位置を整えます。
口内法の最大の特徴は、顔の皮膚を一切切開しないため、体表面に手術の傷跡が残らないことです。
吸収糸を使用するため、原則として抜糸は必要ありません。術後10日以降になると、糸は徐々に緩み、自然に脱落してきます。
皮膚切開法と比較してダウンタイムを抑えやすい一方で、皮膚のたるみを直接取り除くことはできません。
加齢などによる皮膚弛緩が著明な場合には、体表面から皮膚を切開する口角挙上が必要になることがあります。
口内法と皮膚切開法のどちらが適しているかは、口角下制筋の働き、皮膚のたるみ、口角の形、左右差などによって異なります。最終的な治療方法は、医師の診察を受けたうえで判断します。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、特定の治療効果や結果を保証するものではありません。治療の適応、術式、ダウンタイム、リスクには個人差があります。
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