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頬骨とは
頬骨は、中顔面の一部を構成している骨で、前方や側面への発育が強いとゴツゴツした印象の輪郭となりがちです。頬骨縮小術は、そういった発達を小さめに整形することで、柔らかで優しい印象となり、中顔面の横幅を小さくする施術です。
頬骨は体部（前面）と弓部（側面）で構成されており（※図参照）、どの部分が突出しているかによって、施術の内容は異なってきます。
１．頬が前方向に向かって突出している（チークの位置が高すぎる）
→ 体部削骨術
２．頬が横方向に向かって突出している（顔の横幅が気になる）
→ 内方転位術
どの施術が適応になるかは、術前にCTを撮影していただき、手術の方針を計画していきます。CTでは内部の骨格を精密な3次元的に再構成することが出来るので、骨切りの際に重要なポイントである様々なポイントが、mm単位で正確に評価できます。ＣＴで頬骨の形状を正確で把握することで、立体的に手術を計画することが可能になります。
体部削骨術
頬が前面に向かって張り出している場合に適応になります。全身麻酔下で手術をします。口腔内に傷を作り、頬骨体部と呼ばれる部分の骨の厚みを、表面から削り取っていき薄くしていく手術になります。上唇の裏側の粘膜を左右ともに2cm程度切開し（上口腔前庭切開）、上顎骨・頬骨体部を骨膜下の層で剥離し、露出します。頬骨体部の骨を削っていく手術になります。
また曲面のグラデーションをつける為にも頬骨弓中央部あたりまで広範囲に削骨を行っていきます。最後はダイアモンドラスパで慣らして手術は終了します。
内方転位術
弓部が側方への張り出しが強い場合に適応になります。全身麻酔下で手術をします。
最初に耳前部に傷を作り、耳珠前方にて剪刃を用いて骨膜下で剥離し側頭骨頬骨突起（頬骨弓の基部）を露出します。その後、耳前部の創から頬骨弓に骨切りを行います。次に、口腔内に切開創を置き、上顎骨を含む頬部の突出に対してL型で骨切りを行います。L型に骨を切るので、「縦方向」「横方向」の2方向に切っていきます。
まず最初に縦方向の骨切りを上顎骨の頬骨突起で行います。その際に何mm幅で骨切りを行うかで術後の顔の横幅が大きく左右されます。通常は5～8mm程度ですが、最大で10mm程度までは可能です。続いて、水平方向に骨切りをします。眼窩下縁より7～8mm離して前頭突起に向かって、眼窩下縁の形状に沿って骨切りを行っていきます。
骨切り完了後に骨固定を行います。固定は基本的にチタンプレートで行います。なおチタンプレートに関しては抜釘（プレートを抜くこと）は特に必要ありません。ただし患者様の希望に応じて骨癒合を見計らって6ヶ月以降に抜くことが可能です。
施術の流れ
STEP 1
医師が状態を確認し、治療に関する全ての説明を丁寧に行います。精密なシミュレーションをおこないます。
STEP 2
採血・X 線・心電図など各種検査を行います。
STEP 3
麻酔可能であると判断された場合には麻酔方法や手順の説明、麻酔に伴う危険性の説明などを行います。
STEP 4
患者様の状態と手術の進行状況に応じて、麻酔の強さ、長さ、人工呼吸の調節をし、必要があれば適切な処置を行います。
STEP 5
手術終了後、患者さんご自身で十分な呼吸ができると確認された後、人工呼吸用の管を口から抜きます。その後も患者さんの呼吸や血圧、心拍数が安定するまで、手術室内にいていただきます。
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